Moved So Move

曲や歌詞について考えます。

ゲスの極み乙女。「セルマ」 歌詞の意味

今回は、ゲスの極み乙女。が去年発売した

アルバム「両成敗」の中から『セルマ』の歌詞について自己解釈しました。

 

 

切ない曲と言えばindigo la End(川谷さんのもう1つのバンド)の印象が強いのですが、

この曲もかなりの切なさです。

 

 

なぜ切ないのか。

その理由のひとつは、まだ未練が残っている感じがするからです。

 

歌詞の語尾が

「~けど」、「~のに」

という逆接の表現が多いのです。

 

 

実際の会話で逆接ばかり使われたら面倒ですが

歌詞だと名残惜しさや後悔などの

何かしら言い表していない感情があるのか、と思い起こさせます。

 

 

 

さらに、この曲はかなり細かいことが書かれているわりに

なぜ彼女はいなくなったのか、2人の間に何があったのか、

などわからないことだらけで全体像が掴めません。

 

この、木を見て森を見ずな感じが

2人の別れに何か影響しているのか?と考えると

より一層曲が切なく聴こえます。

 

 

 

 

歌詞を見ていきます。

 

 

『セルマ』/ ゲスの極み乙女。

作詞・作曲:川谷絵音

歌詞:http://j-lyric.net/artist/a05866a/l038fff.html

 

 

 

 

 

1番Aメロでは、君がいなくなってから

「変わらないこと」と「変わったこと」があげられています。

 

【変わらないこと】

・食卓にスプーンを2本並べること

・使い込んだテーブルの傾き

 

【変わったこと】

・紅茶を買う頻度(2週間に1回に減った)

・やけに静か

 

 

どちらもかなり日常的な場面が想像されます。

2人は一緒に暮らしていたか、もしくはよく主人公の家に行っていたのでしょう。

 

 

 

やけに静かになったくらいさ

それ以外は変わらないはずだけど

 

 

たった一つ変わっただけなのに、といった表現ですが、

「やけに静かになった」というのは、生活の中の様々な場面に関わっているので、

大きな変化だといえます。

 

 

 

 

サビで主人公は

一緒に飲んだ缶ビールの味が思い出せなくなっています。

 

1人で飲んでも2人で飲んでも、缶ビール自体の味は変わらないはず。

君と一緒に飲むビールの味は格別だったのでしょう。

 

 

 

また、ここで言っているのは缶ビールのことですが、

これは一部の例にすぎず、実際は君といるときの記憶や感じたいろんなことを

時間が経つにつれて思い出せなくなっているのではないか、と考えられます。

 

 

 

 

「酔わない方だったのにな」は、アルコールはもちろん

恋に酔う(夢中になる)なんてタイプじゃなかったのにな、

という意味にも捉えました。

 

自分でもこんなに好きになるとは思ってなかった。

こんなに失ったことに対して悲しむとは思わなかった。

「おかしいな おかしいよな」と自分で自分のことが変だと思う。

 

 

 

 

2番でははっきりと

君はいなくなった

という表記があります。

 

ただ、なぜいなくなったのかはわからないままです。

 

 

2番のAメロのところのドラムのリズムは、電車の走る音を表しているように思います。

そして、ここの歌詞の

一つ飛ばして 

二つ飛ばして 

三つ飛ばして

君はいなくなった

という歌詞の通り、

2番のAメロが1拍分早く歌い出されています。

 

ほんとは2人で一緒に歩んでいくステップを飛ばして、

いつのまにか君と僕との間には距離ができていた。

そして君はいなくなってしまった 。

 

 

 

駅のホームの端が好きで それ以外の場所は普通で

僕はそんな君が好きで それ以外も好きだったけど

 

一部が好きであとは普通な彼女と、

一部とその他(全部)が好きだった僕。

 

 

描かれている好きの対象は、「場所」と「人」で違いますが、

これも

 

僕に対する彼女の想いと、

彼女に対する僕の想いの重さ

 

の違いを表しているように思います。

 

 

 

 駅のホームの端が好き、

なんてかなり細かい描写ですよね。

駅が好き、電車が好き、という好みより詳細で

あまり一緒にいても気づかなかったり意識しなかったりするような内容。

 

このように、一見他人から見れば「そんな細かいところ知ってるの?」

ってくらい細かい部分は見られていたのに、

大きな部分の変化には気づけなかったのでしょうか。

 

そう考えると、彼女が故意ではなく突然の事故などで

いなくなってしまったのではないか、とも予測できます。

 

 

 

 

 

 

そしてサビ。

 

一緒に歌った歌は全部口ずさめるのに、

一緒に飲んだ缶ビールの味は思い出せない。

 

 

この2つの違いは、記録に残せるかどうかだと思います。

 

歌は音源や歌詞として形に残る。

けれど、味や感じたものは形として残すことができない。

 

だから時が経つとだんだん忘れてしまう。

 

 

 

 

その、

これだけまだ想いがあるのに

どんどん君のことを忘れていってしまうことが悲しい。

スプーンを2本用意したり、使い込んだテーブルを傾いたままにしたりと、

変わらないままにしているのに、日々変わっていくことがある。思い出せなくなっていくことがある。

 

 

そんな儚さが曲全体に表れていると思います。

 

 

 

最後のドラムのシンバルを連打する音は、

ビールの泡がシュワシュワ〜っと消えていく様子を表しているように感じました。

 

そうやって、彼女と過ごしてきた思い出が消えていってしまうのかなあ・・・

 

 

切ないのにずっとリピートしてしまう曲です!

 

セルマ

セルマ

 

 

長文を読んでいただき、ありがとうございました!!!